旭琉会

四代目旭琉会(きょくりゅうかい)は沖縄県那覇市首里石嶺町4-301-6に本部を置いた指定暴力団

旭琉会

概要

略歴

  • 1970年(昭和45年)、「沖縄連合旭琉会」が結成された。
  • 1983年(昭和58年)5月、旭琉会は内部抗争が原因で1982年10月に殺害された二代目会長・多和田真山の後を受け、翁長良宏が三代目会長に就任し、三代目旭琉会が発足。

三代目

  • 三代目旭琉会は会長・翁長良宏と、理事長・富永清富永一家総長)の組織体制で運営され、その後7年間は平和が保たれていた。
  • 1990年(平成2年)3月24日、那覇空港において五代目山口組組長・渡辺芳則が、沖縄県警に入県を阻止された事件の対応策を巡り、会長・翁長良宏派と、理事長・富永清派との間で対立が表面化。
  • 同年5月、総長会において翁長良宏が、山口組と五分の親戚付き合いをするという意向を示したのに対し、辻一家?総長・泉操が反発したため、翁長良宏の独断で泉操を絶縁処分とした。
  • 富永一家組員が、旭琉会会長付の幹部に対して拳銃を向けるトラブルが発生。
    このトラブルで、同幹部が所属する大城一家?総長・大城孝章?が適切な対応を取らなかったことを翁長良宏が怒ったが、その件を大城孝章?の依頼で富永清翁長良宏に意見したことから、翁長派、富永派への分裂動向が色濃くなっていった。
    このトラブルでは、双方共に拳銃発砲等の抗争事件は発生しなかったが、那覇市牧志の翁長良宏宅、沖縄市諸見里の富永清宅に多くの組員が集結し、組事務所には窓に鉄板を張り巡らすなどの措置が講じられた。
  • 同月8日、大城一家?の組事務所から拳銃が押収された。
  • 同年7月20日、内紛時に主流派から反主流派に寝返った丸長一家巴組?幹部・与那満が拳銃所持で逮捕された。押収された拳銃は実弾が装填されたままですぐに発射できる状態であった。
  • 同年9月13日、主流派の丸長一家から反主流派の富永一家に寝返った巴組?組長・金城宏?と組員らは、丸長一家総長・仲程光男?を殺害を企て、那覇市西2丁目の光国産業へ押し掛けたが仲程光男?が不在であったため、丸長一家幹部・仲程盛昌?仲程光男?の実弟)に対し、至近距離から拳銃を発射する殺人未遂事件が発生した。
    沖縄県内で拳銃が使用された事件は、1988年(昭和63年)10月の琉球銀行屋慶名支店での拳銃使用強盗事件以来約2年ぶり、暴力団同士の事件では1987年(昭和62年)6月の沖縄市胡屋在のパブラウンジ・スペインでの発砲事件以来、約3年3か月ぶりだった。
  • この殺人未遂事件で主流派は、反主流派に寝返った組員による組織的な犯行で、反主流派からの宣戦布告と断定した。
    しかし反主流派は、この事件はあくまでも発砲事件を起こした金城宏?仲程光男?との個人的な遺恨であるとして宣戦布告を否定し、事件当日に組織参与らを通じて会長・翁長良宏への理解を求めようと働きかけたり、手術のため本土で入院していた理事長・富永清自身が、電話でこの事件を翁長良宏に説明しようとしたが、翁長良宏は「本件は反主流派の組織的犯行である」と決め付け、弁解を拒絶。
    同年9月19日を期限に「富永清は堅気になるか、引退するかのどちらかをとれ」と迫った。

第六次沖縄抗争

  • 1990年(平成2年)9月21日、午前10時20分頃、沖縄県那覇市東町で三代目旭琉会・丸長一家沖島組?組員3名が、沖縄旭琉会久茂地支部事務所を車で偵察中、同事務所から出て来た数名の組員に襲撃されたうえ車で追跡され、拳銃で発砲される事件が発生。
  • 同日、午後9時20分頃、沖縄旭琉会組員による犯行と思われる、旭琉会・座安一家?本家事務所への拳銃発砲事件が発生。
  • 同日、午後9時45分頃、沖縄県沖縄市照屋3丁目にある味処「とんきん」前で旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄旭琉会大城一家?組員・大城淳?への拳銃を使用した殺人未遂事件が発生。
  • 同日、午後10時45分頃、同じく旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄旭琉会上里一家本家事務所への拳銃発砲事件が発生。
  • 同月22日、深夜から23日早朝にかけて、沖縄旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄市照屋3丁目の座安一家?本家事務所に拳銃を発砲する事件が発生。
    沖縄旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄市松本2丁目の旭琉会・錦志一家?内誉会事務所への発砲事件が発生。
    旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄市上地292番地の沖縄旭琉会富永一家中の町支部事務所への発砲事件が発生。
    旭琉会組員による犯行と思われる、沖縄市中央1丁目の沖縄旭琉会上里一家本家事務所への発砲事件が発生するなど、4件の発砲事件が続発した。
  • 同月30日、午後5時過ぎに旭琉会組員が、那覇市辻の沖縄旭琉会照屋一家事務所に火炎瓶を投げ込んだうえ、拳銃を発砲する事件が発生。
  • 同年10月3日、午前4時頃、沖縄県宜野湾市真栄原新町の飲食街近くの路上で、対立する組員らを偵察にきた沖縄旭琉会島袋一家組員が射殺される事件が発生。
  • 同日、東京行きの全日空機に爆発物を持ち込んだとして、旭琉会・丸良一家組員が逮捕される事件が発生。
    同組員は、本土から爆発物を沖縄旭琉会側に郵送する目的で旅客機に爆発物を持ち込んでいた。
  • 同月5日、午後11時頃、旭琉会・丸良一家総長宅のあるビルに、沖縄旭琉会組員が拳銃を乱射する事件が発生。
    同時刻頃、旭琉会側の経営するサウナに、沖縄旭琉会組員が拳銃を発射する事件が発生。
  • 同月6日、旭琉会・丸良一家組員が、総長宅前で不審車両を発見して車2台で追跡し、午前5時過ぎに不審車両を挟み撃ちにしたが、不審車両から拳銃を発射され見失う事件が発生。
  • 同月7日、午前5時頃、沖縄県石川市(現在のうるま市)内において、沖縄旭琉会伊波一家?事務所に拳銃が発射される事件が発生。
  • 同月8日、午前9時頃、沖縄県具志川市(現在のうるま市)内の商工会議所前の路上で、旭琉会・錦志一家?組員が沖縄旭琉会組員に拳銃で撃たれ重傷を負う事件が発生。
  • 同月9日、午前4時過ぎ、那覇市内の桜坂中通りにある沖縄旭琉会島袋一家の組員が、腹部を拳銃で撃たれ重傷を負う事件が発生。
    同日、午後5時過ぎ、具志川市内の旭琉会側が経営する事務所に、沖縄旭琉会富永一家組員が乗り込み、旭琉会・錦志一家?組員を拉致する事件が発生。
  • 同月10日、午後3時過ぎ、沖縄市内の沖縄旭琉会富永一家事務所に、旭琉会組員が車で乗りつけ拳銃を発射する事件が発生。
    同時刻頃、沖縄旭琉会富永一家組員の運転する車に、オートバイから拳銃が発射される事件が発生。
  • 同月11日、午前4時頃、那覇市内の沖縄旭琉会金城一家?の事務所に4tトラックが突っ込む事件が発生。
  • 同月12日、午前6時頃、那覇市内の沖縄旭琉会照屋一家事務所入口に立っていた組員が、オートバイで乗り付けた旭琉会組員に撃たれ死亡する事件が発生。
    同日、午前5時過ぎ、沖縄県名護市内で、駐車中の大型トレーラーを沖縄旭琉会系事務所に突っ込む目的で盗んだ組員が逮捕される事件が発生。
  • 同月13日、午前0時頃、沖縄市内の旭琉会・座安一家?の事務所前で、座安一家?組員が背中を拳銃で撃たれ重傷を負う事件が発生。
    同日、午前3時頃、那覇市内の旭琉会・丸長一家事務所に火炎瓶が投げられる事件が発生。
  • 同月15日、午後9時頃、那覇市内の那覇ショッピングセンター前の路上で、旭琉会・丸長一家組員が乗った車が、後方から来た車から発砲される事件が発生。
  • 同月18日、午前4時過ぎ、沖縄県北谷町の県道23号線で、信号待ちをしていた旭琉会・大日本維新党?組員の車に沖縄旭琉会系組員が拳銃を発砲する事件が発生。
  • 同月25日、午前0時頃、沖縄市内の路上で旭琉会・丸長一家組員の乗った車に、沖縄旭琉会系組員の運転する車が突入する事件が発生。
    同日、午後8時過ぎ、那覇市内の旭琉会・丸長一家の総長宅横で、車に防弾ガラスを取り付けていた丸長一家組員が、沖縄旭琉会系組員に撃たれ負傷する事件が発生。
  • 同年11月16日、午前3時過ぎ、那覇市内の路上で客待ちをしていた三和交通系列のタクシーに拳銃が発射される事件が発生。
  • 同月22日、午後6時頃、沖縄旭琉会系組員が、工事のアルバイト中であった高校生を旭琉会系組員と間違えて射殺する事件が発生。
  • 同月23日、午後11時頃、沖縄市内で覆面パトカーに乗った警戒中の私服警察官2名に職務質問された旭琉会・錦一家組員が、沖縄旭琉会系組員と勘違いして警察官2名を射殺(警察官殺害事件?)。事件を目撃した主婦にも発砲して足に重傷を負わせた。
  • 同月25日、午後11時過ぎ、沖縄県浦添市城間のテナントビル内で、旭琉会・嘉手刈一家?組員2名が、本土から旭琉会側の支援に入った組員から発砲され死亡する事件が発生。
  • 1991年(平成3年)8月20日、午前3時30分頃、沖縄市諸見里の沖縄旭琉会富永一家本家事務所内で、当番として警戒にあたっていた組員が、旭琉会系組員と支援の山口組系組員に拳銃で撃たれ死亡する事件が発生。
    同日、午前5時30分頃、那覇市牧志在の旭琉会会長・翁長良宏宅に、2人乗りのオートバイから拳銃3発が撃ち込まれる事件が発生。富永一家本家事務所内での当番組員射殺事件への報復と目されている。
  • 1992年(平成4年)2月、「暴力団対策法」施行直前に両組織から終結宣言が出されたが、2つの旭琉会が並立、緊張を伴う“冷戦状態”が以後20年余にわたって継続した。
    この抗争では高校生1人、警察官2人を含む7人が死亡し、13人の負傷者が出た。
  • 「暴力団対策法」が施行される。四代目山口組一和会山一抗争や、この第六次沖縄抗争を一因としたものであった。
  • 同年6月、旭琉会と沖縄旭琉会が「指定暴力団」に指定される。

四代目

旭琉會として再統一

旭琉会系譜

四代目旭琉会組織図

会 長 - 花城松一
会長代行 - 高江洲良吉錦一家総長)
副会長 - 志多伯幸仁?志多伯一家総長)
理事長 - 中村 實桜一家総長)
理事長 - 糸数幸昌?ナニワ一家総長)
本部長 - 安慶名誉夫誉一家総長)
幹事長 - 久高将茂丸宏一家総長)
組織委員長 - 知念正人知念一家総長)
理事長代行 - 知念秀視(二代目沖島一家総長)
理事長補佐 - 糸数光秀洸成一家総長)
理事長補佐 - 宮城正春?(二代目丸神一家?総長)
副本部長 - 豊里友尚(二代目丸長一家総長)
会長秘書 - 山城 茂?一心一家総長)
幹事長補佐 - 伊波 健?(二代目嘉手刈一家?総長)
幹事長補佐 - 仲程光男?(二代目丸良一家総長)



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