及川静次
及川静次(おいかわ せいじ、及川清次)は幕末の侠客。
略歴
- 大番士身長六尺、相貌雄偉、人望みて畏るること虎の如し、常に石巻涌谷の間を横行し、乾分数百人を領せり、同僚の侠客摺澤吉之助と匹敵相容れざること○越の如し、一日清次、吉之助と仙台に遭い、大喝一声互に刀を抜きて奮闘せしが清次遂に支へず、逃げて最上に走り鉄砲吉の家に匿る、吉之助追跡して天童に至り、裸體吉の家を訪ふ、鉄砲吉は弾丸を刀にて受け留め、打割に妙を得たるを以って此の稱あり、又裸體吉は争闘の時必ず裸體にて白刃を胃し、踊躍飛蝶の如く、能く之に抗するものなし、故に裸體吉と稱せらる二人共に一方の親分にて常に氷炭相容れず、鉄砲吉は清次を助け、裸體吉は吉之助に左祖し、日を期して決闘を約束し、各乾分を募りて某所に抵る、清次戦はざるに先づ遁る、鉄砲吉は誤り躓きて遂に裸體吉に首を斬られ互に死傷あり、其の後数年、清次、吉之助と復び涌谷に會ふ、清次再び遁れんとす、吉之助大に怒り奮躍して清次の背を斫ること一尺八寸、創浅くして奔り去れり、清次遂に之が為に死し、吉之助も漸く老い、幾くもなく落魄して死せり。
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